掲示板の歴史 その十
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NO.281  (無題)
□投稿者/ みならい
□投稿日/ 2004/10/08(Fri) 04:33:22
□IP/ 140.128.96.208

>そいつは羨ましい(^^)ものすごく高かったでしょう?

実費のみでした。が、自分の履歴などを伝えなければなりませんでした。

>そういう取り方もできるとは思いますが、その辺の意図が実際どうだったのかは私には解りませんね。岩波文庫『法華経』は文法的に見て、正しく読めてますか?

前にも書いたんですが、現行の版にもかなりおかしなところはあります。初版は持っていないのですが、初版には夥しい間違いがあり、いろいろな人に指摘されて、かなり訂正されたそうです。時代的な限界と、訓読をした人の漢文の能力(もちろん仏教学者としては優秀な方だったんでしょうが)で、当時の水準からみても、文献の解釈という点では問題が大きかったんだと思います。ただ、訓読担当者が、たしか僧侶や仏教系大学の教員でないこと、当時、やっと仏教が信仰と離れて研究の対象になりはじめていたことや、岩波の『法華経』は同書のサンスクリットからの日本語訳と全く無関係に行われていることからも、前に書いたように思います。

>端折りすぎました(^_^;)同氏は、上で仰るような中国学と仏教学のそれぞれの問題による隔離もさることながら(私から見ると、同氏はむしろ両者の閉鎖性やギルド性が問題だといっているように見えるのですが)、梵語原典の類をおそらく「プロセスの軽視」からことごとく捨ててしまった(であろうと推測される)中国人の特異なメンタリティや、そうやって原典を知らずに音写に意味を持たせて中国風に解釈した語彙・語法の誤読が長期に渡って諸文化に浸透してしきたために(例えば慧思の解釈と天台宗教義の関係)仏教漢文が解りづらいものになっていることを指摘してます。

おっしゃる通りだと思います。ただ、古代の中国人がどのように仏教を受容したかということ(ここでは漢訳したか、と言い換えてもいいですが)は、現代の我々が漢訳仏典を批判的(ここでは特に語学的に正確に読むこと)に読むということ、また音訳語に意味を持たせてしまったこと、これら3つは別の問題で、漢訳の態度や、歴史上の音訳語の誤解は、仏教史の中での位置づけとしては重要なんでしょうけど、現代の我々が漢訳仏典を読む時は、除外してもいいものではないかと思います。音訳語が音訳語であることを見分けるには、サンスクリットやパーリの知識も必要になってくるんでしょうが。

>また、同氏は欧米によるパーリ語・サンスクリット語仏典の研究が急激に進められたことで日本の仏教学が「科学化」し、原始仏教、インド仏教の解明に学術的重点がシフトして、その功罪として漢訳仏典の研究自体が諸氏によって軽んぜられるようになったことを挙げてます。

仏教漢文をキーワードに検索してみたんですが、いろいろ面白い記述がありました(仏教学博士課程の学生が指導教授に就職の相談にいったところ、仏教漢文が教えられるなら、職があると言われたが、仏教漢文なんて、学部以来やっていない・・・とか)。漢訳の軽視は今でも続いているようですね。

>ご紹介ありがとうございます。中国語ができないと読めない書籍ってのは辛いなあ、個人的に(^_^;)

ぱらぱらめくって見たんですが、中国語ができても、何だかよく分かりません。漢訳仏典の例文になれていないので、非常に骨が折れます・・・。

>その辺の歴史については前出の『仏教漢文入門』『仏教漢文の読み方』にも書かれていたのですが、文法的にどうかというのがいまいち分かりませんでした。なるほど、虚詞の使い方にあるかも知れないわけですか。

『仏教漢文入門』に、新訳の文法については又別稿で云々とあるのを見て、正直なところ、わざわざ別に本を出す必要なんてあるんだろうか?思いました。著者の方は最近、又新著を出されたそうですが。これも正直なところ『仏教漢文入門』の目的というかコンセプトが、ちょっとわたしには理解できません、いろいろな意味で。

>どなたか、このレスを読まれた方でご存知の方があれば、上の条件に合致する書籍に関する情報をご提供いただけるようお願いいたします。

ここでお伺いするのはちょっと場違いかも知れないのですが、皆さんはどうやって仏教の基礎的なところを身につけられたのでしょうか。空殻さんを始め、皆さんとても深く体系的な認識をお持ちでのようで、本当に驚いています。ほんの少し、本も読んで見たんですが、あまりにもいろいろで、どこからどう取っ掛かりをつけていいのか、全く分かりません。もちろん歴史的、地域的にいろいろに変化発展しているんでしょうが、あまりに多様すぎて、自分なりの理解というものも全くできずにいます。ここでどうやって仏教について勉強されたか、お伺いしてもよろしいでしょうか?