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NO.198 もう一回、「不立文字」
□投稿者/ 大閑道人
□投稿日/ 2004/02/14(Sat) 22:15:59
空殻師の「文字否定」を受け入れてから、ものの見方が変わったのか、面白いものを一つ。
永平寺の機関紙「傘松」に、道元禅師の漢文論文(早い話、現成公案や普勧坐禅儀)の文体=四六駢儷体の文章分析が掲載されていた。
(平成16年2月号、熊谷忠興)
漢文論文には、独特のリズムがあるらしい。それは、和語人が、どうしても七五調に心惹かれるものがあるのと同じようなものらしい。
もちろん、平仄の規則にも従うわけだから、壮大な文字世界がそこに広がることになる。
それは、まさしく、文字世界であって、現実に展開している現象世界ではないので、文字世界で遊ぶ限り、まぁ、知的遊戯としてはおもしろいのだろうが、現実現象世界からは遊離してしまうことになる。
そういう漢字文化圏の欠陥に対して、不立文字が、文字拒否、という形で文字=観念から現実へ、と誘っているのかも知れない。