掲示板の歴史 その十二
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NO.321  『達摩多羅禅経』に見る数息観
□投稿者/ 空殻
□投稿日/ 2004/12/19(Sun) 21:39:07
□IP/ 4.27.3.43


同氏によると、『達摩多羅禅経』でポイントとなるのは「呼吸」と「無常観」の関連性である。

『達磨多羅禅経』は東晋の仏陀跋陀羅(三五九〜四二九)の訳。
禅定三昧に入る方法としての数息観、不浄観などの観法を説く経典で、鎌田氏によると数息観に関してはもっとも詳しい資料だということである。
同経典で数息観を説くのは「修行方便道安般念決定分(しゅぎょうほうべんどうあんぱんねんけつじょうぶん)」第七で、ここでは次のようなことを説いている。
  • 出息の念を善くすれば、入息も倶に亦た然り
    (吐く息に重点をおくべきということ)
  • 出息入息の時、正しく無常の相を観ずべし
  • 譬えば天の運行するが如く、息の変ずることは彼よりも疾し
  • 比丘よ安般念の雑想覚に乱され、既に乱れて心悦ばずんば応に数より起すべし
    (雑念によって心が乱れた場合には数を数えよ)