掲示板の歴史 その六
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NO.197  記号化と解読
□投稿者/ 空殻
□投稿日/ 2004/02/08(Sun) 18:55:18


私たちは、メッセージを言語化(記号化[Encoding]の一種)してから解読(Decoding)するという「言語機能」をもって初めて文字を含む言語のコミュニケーションを可能にします。

言うまでもないことですが、そこには大小様々な障害が常に生じてきます。
ここでは、大まかにいって、次の二つが特に問題になります。

まず、一つは「法則の共有」という問題。
この言語機能は言語記号の作成者と解読者とが同じ法則を正確に共有していなければ正常に作動しない。この傾向は、両者の能力や主観的立場等の差異、空間的・時間的要素の複雑化などによって継続的にエスカレートする。

そしてもう一つは「言語機能」自体の限界。
われわれはあらゆるメッセージを言語化できるわけではないし、あらゆる言語化されたメッセージを解読できるわけでもないので、当然「言語機能」には限界がある。

>文字そのものの拒絶なのか、文字が背負っている意味の拒絶なのか

私はそれらがまったく違う次元の問題であるとは思いません。
上述した「言語機能の不完全性への不安」が「文字によって伝達された意味への不信」となり、それがエスカレートして「文字そのものの拒絶」へと展開していった一面が推察されうる、と考えた方がよいと思います。


ちなみに、「?」と「!」はどちらも表意記号として機能してますね。
往と復とが互いに同一の法則と認識とを共有していたからこそ可能となった「コミュニケーションの極度な単純化」の一例というべきなのかも知れない。