掲示板の歴史 その五
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NO.85  インド僧アティーシャ
□投稿者/ 空殻
□投稿日/ 2003/12/26(Fri) 10:54:43
□URL/ http://members13.tsukaeru.net/qookaku/


以下はジャン・ボワスリエ著・木村清孝訳註『La sagesse du Bouddha/ブッダの生涯』(創元社刊)からの引用。
しかし、チベット仏教の真の改革者は、イェシェーウー王の後継者に招かれたインドの高僧アティーシャ(982-1054)である。彼は1042年、西チベットに着いた。親しい弟子たちのために自らのタントラの教えを説く一方で、マハーヤーナ仏教を広め、とくに僧院生活の数々の要請を回復した。おそらく観音信仰を宣揚したもの彼だろう。これ以後、観音はチベットの正式の守護者とされ、そのマントラ(真言=神聖な呪文)「オーム・マニ・パドメー・フーム」(「蓮華の上のマニ宝珠に幸いあれ」)は、祈祷輪(一回転がこの呪文を一回唱えたことに相当するとされる円筒状の祈祷の道具)や幟、呪文を刻んだ石に限りなく繰り返され、またあらゆるチベット人の口をついて唱えられてきた。(一八〇頁)
「祈祷輪」とはマニ輪のこと。
上の記事にあるように、ボワスリエは、チベットにおける観音信仰の定着とそれに伴う輪蔵その他を、インドから来た大学僧でカダーム派の祖アティーシャの働きに帰するものであると「推定」しています。