掲示板の歴史 その五
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NO.310  梁の傅翕
□投稿者/ 空殻
□投稿日/ 2004/11/21(Sun) 18:04:41
□IP/ 4.27.3.43

以下は中国における輪蔵(転輪蔵、転輪経蔵、転関経蔵)の定義。
岩波『仏教辞典』からの抜粋だが、小学館『仏教語大辞典』、法蔵館『仏教学辞典』にも同様の内容が書かれている。


輪蔵 [りんぞう]
機輪をつけて柱を中心に回転する書架のある経蔵。「転輪蔵」ともいう。中国南北朝時代の梁の傅翕(ふきゅう、傅大士)の創始といわれる。本来は経巻の出納の便のために設けられたものだが、俗に、これを回転させるだけで経典を読むのと同じ利益が得られるとも信ぜられた。安国寺経蔵(1407、岐阜県吉城群)は、内部に輪蔵を備えた最古の遺構である。なお、傅大士の林蔵創作の伝承に基づいた作品に謡曲『輪蔵』がある。
「釈迦一代の蔵経を大唐よりも渡しつつ、末世の衆生済度のため、輪蔵に納め、結縁の手に触れ縁を結ばせんとの、御神の誓ひぞありがたき」[謡・輪蔵]

チベットと中国との輪蔵の間には、起源的に関係があるのだろうか。
傅翕の登場は、アティーシャよりも五百年ほど早い。
マニ輪の起源は中国にあるのかも知れない。