掲示板の歴史 その二
▲[ 79 ] / ▼[ 81 ]
NO.80  よほど密教がお好きなのですね(^_^)
□投稿者/ 空殻
□投稿日/ 2003/12/15(Mon) 05:10:42
□URL/ http://members13.tsukaeru.net/qookaku/


>密教は範囲が広いので少しづつ学んで行きたいと思っています。

分からないことがあれば、出来るかぎりお手伝いいたします。

>文献として残っているものと、一子相伝的なものと、体得するものとあるのですか?

あまり具体的なご質問でないのでいささか答えに窮するのですが、「文献として残っているもの」というのは仏教全体において共通する傾向として「経」と「論」とがあり、密教にももちろんこの二つが存在します。「経」とは仏が説いたという前提でその説法を聞いた人物が「私はこう聞いている(如是我聞)」と語る、いわば経典のことであり、「論」とはそれに基いた解釈や理論、主張のことです。
密教が資師相承の教えであって、師(秘密の正統な継承者)のもとで学習・修行し三密を行じることが悟りの体得を効率的にする(とされている)ことは記事番号四七『密教法具について』において既に述べました。ただし、「資師相承」であっても「一子相伝」かどうかは流派によると思います。

>どんな伝えられ方をしたのか知りたいです。そして現在はどの様な形で変化して残っているのですか?

日本においては、まず平安時代に空海によって持ち込まれ、独特の編纂を経て日本に定着した真言密教と、同時期に最澄によって齎された天台宗が最澄とその後継者たちによって密教化した天台密教とがあり、それらの本拠地である高野山と比叡山といった本家本流を中心に、これらの流れを汲む数多くの流派が現在存在していると認識してます。

空海の直接の弟子を含む法系者はおびただしい数にのぼりますが、そのほとんどが空海と血縁関係にあり、ある意味、真言宗が同族経営的な教団であったことは知っておいた方がよいと思います。結局、空海の法灯を継ぐほどの優れた人物は現れることがなく、真言宗は宗派として存続して後世には多く亜流へと細分化することはありましたが、円仁・円珍などの逸材を出した天台宗の密教のような著しい発展はありませんでした。(渡辺照宏・宮坂宥勝著『沙門空海』一八〇〜一八四頁参照) このことから、真言宗の隆盛は「空海の一代で終わってしまった」と見ることが可能です。

>現在、日本で修行されておられる方など知っていますか?

それもいつかメールか何かでお知らせしたと思いますが、残念ながら私はそのような方は存じ上げません。
お役に立てず申し訳ありません。