仏教用語辞典


慧可 [えか]
達磨の一番弟子で、禅宗の第二祖。
彼が断臂して達磨に入門を許されたという有名な逸話があるが、これは推定七一二年頃成立の北宗禅系統の伝記『伝法宝記(でんぽうぼうき)』に初出する。それに対して、六四五年成立の『続高僧伝』には、慧可が左の臂を失ったのは賊に遭って切られたからだとあり、『伝法宝記』はこの遭賊砥臂(そうぞくしゃくひ)を謬伝としているが、現代の仏教史学では、これは当時の権力者による仏教弾圧が真の原因であると考えられている。