三鈷杵


三鈷杵

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三鈷杵(さんこしょ)。金剛杵の一
法蔵館『密教大辞典』には次のようにある

三股杵(サンコショ・Tri-cankuh) 三股金剛・三股跋折羅・三股縛日ラ(口+羅)・底里賞倶・三股等と云ふ。股は又鈷・コ(月+古)・古等に作る。皆借音なり。金剛杵の一種にして、其両端三股より成る。金剛杵に多種ありと雖も、経軌に金剛杵とあるは多く三股杵を指す。胎蔵界薩タ(土+垂)院の金剛手持金剛・金剛軍茶利等これを以て三昧耶形とす。三股は佛・蓮・金三部又は身・語・意三密等三法の法門を表示す。蘇悉地経に行者手に三股杵を執らば毘那夜迦も障難を為さず、又護摩及び念誦の時、左手に之を持ちて能く諸事を成就す、故に杵を善成就者と號すと釋せり。金剛界九會曼荼羅の第三微細會の諸尊皆三股杵中に住するは此義による。醍醐流に護摩等の修法に常に三股を持つも此意なり。三股杵に普通形と忿怒三股・弛み三股等とあり。五股杵に準知すべし。忿怒三股は羯磨鎭壇とも云ふ。弛み三股は金剛嬉戯菩薩の三昧耶形にして、金剛界三昧耶會にあり。又同降三世三昧耶會には忿怒三股にして而も弛み三股なるを出せり。三股杵は傳教・弘法・常曉・恵運・円行・宗叡等これを請来す。現存せる優品尠からず。 →金剛杵・五種鈴杵・五股杵・羯磨鎭壇。(蘇悉地経上持眞言法品・密教法具便覧)
蘇悉地経持眞言法品云、金剛諸事應用天火焼木或苦練木(中略)随取一木刻作三股金剛杵作呼摩時及念誦時、常以左手執持能成諸事故號杵是善成就者。若常持此金剛杵者一切毘那夜迦障難者悉皆恐怖馳散而去、以紫壇香泥塗金剛杵置本尊前常以如上眞言眞言花香供養、其諸事業金剛秘密微細悉能成就諸餘事等。



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初版:2003年5月20日