掲示板の歴史 その六
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NO.189  瓢箪に穴を開け、その穴から鯰を見る。
□投稿者/ 大閑道人
□投稿日/ 2004/02/06(Fri) 20:43:01


この発想は、ヒントがある。

小学生のころ読んだ世界文学全集の中に、どこかの民話だったと思うが、次のような話があった。

”あるところにかわいらしいお姫様がいた。ところが、このお姫様が病気になった。
心配した父王が、お姫様に尋ねると、
「夜空に輝く月を取って欲しい」という。
父王は国中にお触れを出した。
『月を取って娘に謙譲したものは、娘の婿になることが出来る』

なんにんもの若者が月を取ろうと奮闘した。
あるものは、高い山を目指した。あるものは、長いはしごを空中にかけてそれを登った。
だが、誰も成功しなかった。

そこに、ある一人の若者が現れて父王に申し出た。
「どうか、お姫様に会わせていただきたい、お話をお伺いしたいのです」

若者は、お姫様に会い話を聞くと、どこかに出かけてしまった。

しばらくして若者は戻ってくると、お姫様に会った。それから、お姫様はズンズンと快方に向かった。
お姫様は念願の夜空に輝く月を手に入れたのだ。そして、若者はお姫様と結婚した。

後日、誰かが若王となったその若者に質した。お姫様に何をたずねたのか、と。

「私は、お姫様にこう聞いた。
『その月は、どのくらいの大きさですか?』
『私の親指の爪くらいです。だって、いつもこの親指を空にかざすと、お月様は隠れてしまいますから』
私は、お姫様のこの答えを聞いて、爪の大きさくらいの黄金のペンダントを作らせてそれを献上したのだ」