掲示板の歴史 その六
▲[ 141 ] / ▼[ 148 ]
NO.146  変遷
□投稿者/ 空殻
□投稿日/ 2004/01/23(Fri) 01:10:16


やはり拒否ですね。
これは、私が好むとか好まないとかいう問題以前です。
「文字を立てず」は「経典を読むだけでは駄目だ」なんて生半可なものじゃない。
「経典の外に教えがあるのだから」「(経典の)文字を読んでも無意味だ」といっているのです。
この姿勢は、鮮烈で斬新、そして残酷な立場だった。
翻訳僧たちの血の滲む努力を無効化するわけだから。
だけど、珍しもの好きな当時の知識人たちにとってはすごく新鮮で刺激的な発想だったに違いない。
そして一方、エリートを僻む脱落者や怠惰な人たち、そして教養のない一般人にとっても好都合な方針だった。
勉強しなくても悟れるわけだから(苦笑)

祖師禅においては純粋に拒否だったものが、教団の確立と時間の経過に伴って軽視へと変遷した、ということなのでしょう。
そういった妥協の傾向は、仏像建立や陀羅尼の歴史にも通じるものがあるように感じます。