掲示板の歴史 その二
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NO.78  『言霊』掲示板より
□投稿者/ 空殻
□投稿日/ 2003/12/14(Sun) 16:15:17
□URL/ http://members13.tsukaeru.net/qookaku/


以下、環さんのご要望にお応えして、『言霊』の掲示板より引用です。

■返信:"和" 御名前:管理人:環

御芳名帖とは別に和については「懐古」の掲示板が出来たら移そうと思います。空殻さんの所みたいに分けないと範囲が広くなりそうだから。何とぞ宜しく御願いします。

私も和と言えばまず聖徳太子ですね。和は奥深く、十人十色の意味があると思います。空殻さんは色んな事を詳しく書かれているので探究心が強く、知識のある方だなと思いました。「十七条の憲法」も気付きませんでした。(笑)

「五行循環を大和とす」どんな意味なのでしょう。自分で調べなさいと突っ込まれそうですが、(笑)あえて聞きます。環の字も入っていて興味深いです。血の巡りとも関係あるのかな?!
「大和」で思い付くのは戦艦大和と宇宙戦艦ヤマトくらいでしょうか。(笑)もっと学ばねば。何ものをも包み込む広い宇宙の様な感じなのかな。。
中国からの古称だったのですね。それでは中国の事も知りたくなって来ました。どういう関係だったのでしょうね。載せて頂き感謝します。「大和魂」と言いますがその心意気で日々精進して行きたいです。

"和"とは、和風とか日本的なという意味であって、"仲良し"の和ではないと云われるでしょう。しかし"和"という云う一つの言葉に様々に意見が同時に重なってイメージされてしまうこと、これが"和"を読み解くための重要なポイントだと思います。例えばそれは、日本語が言葉と言葉のあいだにあるものや、行と行の間(行間)、余白にある何かを最も大切なものと考え、そこに豊かな感性を感じ、表現してきたことと同じです。つまり、"和"の根幹とは、皆さんが間という言葉で表現するような1+1がすべて2ではなく、その中間にある何か、いってみればそのあいだにある感性、つまり人間性の美ではないかということです。
日本人は、象徴的に立つ花よりも、小さくて可憐な花がつらなり集まった藤の花や桜の花を好みます。色も、グレイといって、ひとくくりに表現せずに、百種類にも及ぶ細かなねずみ色に分けて伝えます。
着る物も、ただの長い布を色々なパターンに合わせて縫うだけで作り出して来ました。それは、ただの平たい布が着る人の身体との関係性で立体化し、個性化していくということです。家具は、ちゃぶ台のように使う人間に応じてテーブルになったり、たたまれてただの板になったりします。これが拡大していけば、光悦が表現したような道具や建物や景色まで、身のまわりのものすべてが、生活そのものが芸術になり、茶人が小さな茶室に宇宙を作り出したような和の表現にいたるのだと思います。"和"とは、畳や古い民家や骨董品のことなどではありません。
この日本の伝統で洗練された、人と物と空間のあいだに作り出された豊かな感性と表現の方法も一つの意味でしょう。次回に続きます。(笑)

2003/11/30(日) 16:23 番号213




■こんにちは。 御名前:空殻

トピックが二つあると結構しんどくなりますね。
どうにか片方に絞れないものかと考えてます。

>「五行循環を大和とす」どんな意味なのでしょう

私は易経にはあまり造詣がなく、そのような記述があると昔聞かされただけでろくに調べていないのですが、憶測でいうならば、まず五行というのは陰陽五行の木火土金水のことで、その生成のサイクルを五行の循環というのでしょう。
木から火が生じて土となり、そこから金(金属)が生じてこれが水を生み、水が木を育てる。
これが五行の「相生」の循環で、この他に「相剋」の循環、つまり五行の「闘争の循環」があり、おそらく「大和」というのは「相生」のことを指すのではないか(もしかすると両方なのかも知れませんが)と考えてます。
このことについて、何か他に面白いことが分かったら教えてくださいね(^^)

>「和」とは

「和」についての記述、興味深いです。
「和」にはもちろん「仲良し」の意味が含まれてます(^^)十七条憲法の第一条は基本的に「仲良くしなさい」という意味です。
それからなるほど、生活そのものが芸術。
仏教、とくに道元の禅の世界や密教にも「生活そのものが禅」「生きること自体が悟りを体現する」という状態を目指す傾向があります。例えば、料理したり畑仕事をしたりすることがそのまま禅であったりする。趣がすこし異なるとは思いますが、共通するところはあると思います。

続きを楽しみにしております(^^)

2003/12/01(月) 05:07 番号217




■返信: お久しぶりです。 御名前:管理人:環

そうですね。トピック毎に分けて整理して行きたいです。そういうCGIを見つけました。今度協力者の黒男さんにも相談してみますね。ゆっくり進めて行きたいと思っています。御芳名帖の題字も見えなくなっていますし。目次のししおどしの音はどうでしょう?

陰陽五行とは陰陽師の教えの中に含まれているものなのでしょうか?ヴァンパイアハンターDの手の人面?(何ていったかな?!)にもそんな意味でパワーを
貰っている様な事が書いてありましたね。
相生とは何でしょう?(汗)無知でごめんなさい。

道元の言っている事も和ですね。最近トムクルーズ出演映画の影響もあり、武士道に凄く興味を持ちました。外から日本の素晴らしさを再認識する事は良い事だと思います。あの生き方新渡戸稲造の本も読んでみたいです。あともう一つ題名を忘れたのですが、、、

前の文章にも繋がりますが、和は色んな意味を含んでいて面白みがあります。日本の中にいると日本人である事も日本の文化も意識しない人が多いでしょう。元々「文化」とは、一言で言うならば「言葉」だと思っています。日本語は、通常日本でしか使われませんが、「和」の文化も歴史的には海外から入ってきたものも数多くあるといいながら、長い間に日本独特のものになったものがほとんどです。
グローバル化が進む今日、日本人がもう一度「和」について考え、海外の良いものを取り入れつつ、日本の良いものを残す努力をしなければいけないと思っています。空殻さんは海外にいらっしゃるので、より日本人を認識し和の文化や良い所、悪い所が見えるのではないですか?
(次回に続く(笑))

2003/12/09(火) 00:59 番号219




■私も協力者が欲しい〜(^_^;) 御名前:空殻

シシオドシの音はまさに癒し系ですね。
癒していただきました(^L^)

陰陽五行はもちろん陰陽道の体系に含まれてます。ヴァンパイアハンターDの手の人面がそういう設定なのはまったく知りませんでした(苦笑)
相生というのは

「木から火が生じて土となり、そこから金(金属)が生じてこれが水を生み、水が木を育てる」

という生成の相関関係のことです。

>元々「文化」とは、一言で言うならば「言葉」だと

私から観ると、「言葉」はあくまでも「文化」の一部であって「文化」という総合芸術を成り立たせる一要素に過ぎません。ただ、言語が多くの文化のルーツであるとする考え方には興味深いものがあります。

>「和」の文化も歴史的には海外から入ってきたものも数多くあるといいながら、長い間に日本独特のものになったものがほとんどです

そう、それこそが「和」なのです。
つまり他から吸収、融合しつつ独自の発展をする。すべてを包括しつつそれを超越しようとする姿勢はとても密教的で、私は個人的に好きです。
ウチの専門板にも独り言として書きましたが、和的文化と創造性は密接に関わってます(そして恐らく等価です)。

>日本人がもう一度「和」について考え、海外の良いものを取り入れつつ、日本の良いものを残す努力をしなければいけないと思っています

同感です。
そしてもちろん、現在進行形の文化であるアニメのように、日本の良いものを発展させ新たな形を創造してゆく努力、そしてそういった活動に対する一般の理解を深め促さんとする努力もあって然るべきなのではないか、と私は考えます。

お話の続き、楽しみにしてます(^L^)
それから、ウチの専門板にもまた遊びにいらしてくださいね。
ではでは。

2003/12/09(火) 16:07 番号222